介護の見守りシステムの導入による介護サービスの質の向上と介護スタッフの負担軽減

介護の見守りシステムの導入による介護サービスの質の向上と介護スタッフの負担軽減

介護業界の人材不足は長年、社会問題となっていますが、2021年7月に厚労省が発表した資料によると、2025年までに32万人、2040年までに69万人を追加で人員確保する必要があることが分かりました。現状の人員増加ペースで行くと2025年時点で約10万人が不足するといわれています。外国人の受け入れや人員確保対策などが求められますが、マンパワーに頼った介護には限界があります。

そこで注目を集めているのが介護のDX化。今回はDX化の取り組みの中でも特に導入を早めに進めたい、見守りシステムについて解説していきます。

介護における見守りシステムとは

多くの介護施設には、自発的に助けを求めることができない要介護者がいるため、常に見守りが必要です。特に認知症の症状がある方の場合、離床して徘徊(はいかい)してしまう可能性もあるため目を離せず、スタッフの負担につながっていました。こうした課題を解消するために作られたのが見守りシステムです。

入居者の離床や入退室などのを検知して、スタッフへ一斉に通知することができます。見守りシステムには多くの種類があり、他の機器やソフトウエアと連動して機能を拡張することができ、スタッフの大幅な負担軽減になります。

介護見守りシステムの種類

見守りシステムの進化は凄まじく、現在あるだけでも複数種類のサービスがあります。1つずつ説明していきます

人感センサー

スタンダードなシステムとして、多くの介護施設で導入されているのが人感センサーです。ベッドやベッド周りにセンサーを敷いて離床を感知するものから、トイレへの入室が分かるセンサーまでさまざまです。寝たきりの方のベッド下への転倒検知や認知症の症状を有する入居者の徘徊(はいかい)防止に役立ちます。

バイタルセンサー

ベッドマットの下や天井に設置し、マイクロ波を利用して脈拍数や呼吸などのバイタルデータを取得できるシステムです。非接触なので入居者にとっても負担なくデータを収集できます。異常時にはアラームが鳴り、スタッフに通知されます。

シルエットセンサー

シルエットセンサーは、入居者のベッド上での動きをプライバシーに配慮しながら、シルエットで様子を確認できるシステムです。赤外線センサーで動きを感知するため、入居者に負担がなく安心です。動画も残るため、何かあった場合にもその前後の記録を残すことができ、原因究明や家族への説明の際にも活用できます。

荷重センサー

ベッドの4つの脚下に荷重センサーを設置し、要介護者の動きを検知するシステムです。ベッドセンサーの場合はマットがずれてしまったり要介護者が嫌がったりする可能性がありますが、荷重センサーにはその心配がありません。

介護見守りシステム導入の主なメリット

介護見守りシステムを導入した際の主なメリットを紹介します。

介護スタッフの負担軽減

頻回な見回りから介護スタッフが解放され、大幅な負担軽減につながります。ベッドからの離床をチェックできるだけでなく、バイタルチェックもできるようになれば、さらに効果は倍増します。
また、夜間はスタッフ数も減るため日中とは違った負担が生じますが、夜間の見回り回数も減らすことができます。

介護サービスの質の向上

見回りやナースコールでの呼び出しに割いていた時間が大幅に軽減することで、介護サービスに使える時間が増えます。それによりサービスの質の向上が期待できます。

介護見守りシステムの選び方

現在、多くの会社が介護見守りシステムサービスに参入しており、どんなものを選べばいいのか悩んでしまう施設運営者も多いのではないでしょうか。そこで、選び方のポイントを紹介します。

誰でも使える操作性から選ぶ

介護施設のスタッフには、機械や新しいシステムにすぐ順応する人から抵抗感を持つ人までさまざまいることでしょう。誰もが使いやすい簡単操作のシステムを選ぶことが大切です。

ただ、スムーズな運用や全スタッフへの定着には長い目で見て見守る必要があります。スタッフの負担軽減のために導入したにも関わらず、スタッフの負担が増えて離職につながってしまっては本末転倒です。徐々に浸透すればいいという気持ちで向き合うとよいでしょう。

既存のシステムや設備インフラとの連携性から選ぶ

既存のシステムや介護施設の設備インフラと連携しやすいものを選ぶと無駄のないシステム導入ができます。

具体的には、Wi-Fiのネットワークが既に施設内にあるにも関わらず、新規システムのために新しい契約が必要となると既存のネットワークが無駄になってしまいます。今あるものを生かしながら導入できるサービスを選ぶと無駄なく使うことができます。

目的を解決できる機能の費用対効果から選ぶ

介護見守りシステムを検索すると、便利な機能がたくさんあることに気づき、あれもこれも導入したいと夢が膨らむかもしれません。

ただ、より快適なシステムの導入を求めたり機能を拡張したりしようとすると、どんどん費用が膨らんでしまいます。システム利用には初期投資以外にもランニングコストもかかることを念頭に、自社にとってより効果的なシステムを無理のない予算計画で導入してください。

介護見守りシステムとLIFE加算

介護スタッフの人材不足解消を目指す厚労省は、2021年2月に介護業界のDX化を推進するために、「科学的介護システム(LIFE)」を活用すると決定しました。
(参照:厚労省「科学的介護情報システム(LIFE)」の活用等について)

LIFEは以前より活用されていたCHASEやVISITといったデータ収集システムを集約して、科学的介護の理解と浸透を図る観点でスタートしたシステムです。介護報酬にて加算要件となることから、導入を検討している介護事業所も多いのではないでしょうか。

これから介護ソフトを導入する場合には都道府県から補助が出るため、積極的に活用することをお勧めします。

介護現場のDX化としての見守りシステムの導入

LIFEによる介護報酬加算もあるし、スタッフの士気も上がることだしシステムの導入を…と検討したものの、初期費用がかかることがネックで導入の検討がストップしてしまうことがあります。

しかし、コニカミノルタが提供しているHitomeQ ケアサポートシステムであれば、サブスクリクションプラン(定額料金でサービスが利用できる)があり、初期費用も不要。導入規模が選べることはもちろんのこと、豊富なメニューから導入したいシステムを選ぶことができます。

もちろん介護報酬改定に対応したメニューも。導入の際の教育から定着までしっかりとサポートするため、責任者自身にICTの知識がなくても安心して導入することができます。スタッフの負担軽減はサービスの向上につながるだけでなく、優秀な人材を呼び込み施設の評判アップへと関わってきます。

ぜひ導入を検討してみてください。

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