介護ロボット導入ガイド
施設運営を強化する種類・選び方とは?

「介護ロボットって、まだ先の話じゃないの?」
そんな声もありますが、いまや安全性と業務効率の両立には欠かせない選択肢になりつつあります🤖
実際、夜間の見守りの負担軽減や、少人数でも高品質なケアを提供できる体制づくりにおいて、介護ロボットの導入が進んでいます。
「うちの施設には、どんなロボットが合うんだろう?」
そんな疑問を抱える経営者や施設長の皆さまに向けて、この記事では介護ロボットの種類と特徴、導入のヒントをわかりやすく整理しました。
収益性の向上や他施設との差別化、人材の定着や事故防止など、施設運営に直結する課題解決の手がかりになる内容です✨
最後には、わたしが現場でよく見かける見守り支援ロボットの魅力もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みくださいね😊
介護ロボットとは?導入前に知っておきたい基本情報
「介護ロボットって、本当に必要なの?」
そんなふうに思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも実際には、少子高齢化と人手不足の中で、介護現場の安全・効率・安定性を支える重要な存在として注目されています🤖
厚生労働省では、ロボットを以下のように定義しています。

「情報を感知(センサー系)し、判断(知能・制御系)し、動作する(駆動系)、知能化した機械システム」
この技術を活用し、利用者の自立支援や介護者の負担軽減に役立つ介護機器を「介護ロボット」と呼びます。
つまり介護ロボットは、ただ動くだけの道具ではなく、考えて動ける、現場の一員のような存在なんです✨
介護の質や職員の働きやすさを支える、頼もしいパートナーですね。
厚生労働省では、これまでの「ロボット技術の介護利用における重点分野」を見直し、2025年4月に新たに「介護テクノロジー利用の重点分野」として改訂を行いました。
この重点分野は、これまでの6分野13項目から、9分野16項目へと拡充されています。
改訂後の9つの重点分野は以下の通りです。
- 移乗支援(装着):装着型機器を用いた移乗介助の負担軽減
- 移乗支援(非装着):非装着型機器による移乗支援(リフト・スライディングボード等)
- 移動支援(屋内):歩行・車いす移動のサポート
- 排泄支援(排泄予測・検知):排泄タイミングの予測・検知による介助支援
- 入浴支援:入浴動作のサポート、介助者の負担軽減
- 見守り・コミュニケーション(施設):施設における離床・転倒・体動等の検知と通知
- 見守り・コミュニケーション(在宅):在宅高齢者の状態把握と家族・支援者への連携
- 見守り・コミュニケーション(コミュニケーション):対話・声かけ等による心理的支援
- 介護業務支援:記録や情報共有の効率化、業務負担の軽減
- 機能訓練支援:身体機能の維持・向上を目的とした訓練サポート
- 食事・栄養管理支援:摂食・嚥下や栄養バランス管理の支援
- 認知症生活支援・認知症ケア支援:認知機能の低下に配慮した生活支援・対応
これらの分野ではすでに、さまざまな製品が開発・実用化されており、夜間の見守りや腰痛予防、職員の定着など、現場の課題解決に役立っています💡
介護ロボットは、「人手が足りないから仕方なく使う」ものではなく、人の力をもっと活かし、働きやすさと安心を両立するための“前向きな投資”なのです😊
介護用ロボットの種類と使いどころ
介護ロボットって、種類がいろいろあって、どれが自分の施設に合っているのか迷いますよね😅
でも大丈夫!ここでは厚生労働省の9分野を整理して、代表的なロボットの特徴と役割をわかりやすくご紹介します。
それぞれのロボットには「得意分野」があって、使いどころを見極めることが大切なんです✨

●移乗支援ロボット(装着・非装着)
装着・非装着ともに、ベッドから車いすへの移動など、体の動きをやさしくサポートしてくれるロボットです。
装着型は介助者が装着して用いるもので、腰への負担が大きい介助作業を軽くしてくれるので、スタッフの身体的な負担軽減にとても役立ちます💪
非装着型は、移乗開始から終了まで介助者が一人で使用し、介助者の力の全部または一部のアシストをしてくれる機器です。
人手が少ない場面でも、安定したケアを続けやすくなるのがポイントです。
●移動支援ロボット(屋外・屋内・装着)
歩行や車いすでの移動を助けてくれるロボットです。
屋外タイプは、シルバーカーのような形でモーターが坂道をアシストし、荷物も載せられるので、外出時の自立支援にぴったりです🚶♀️
屋内タイプは、トイレへの移動や椅子・ベッドからの立ち上がりを支えてくれて、居室や水まわりでの転倒予防に役立ちます🛁
装着型タイプは、腰や脚に装着して転倒しそうな動きを検知・通知したり、動作を補助したりして、安心して歩ける環境づくりを助けてくれます💪
それぞれの生活場面に応じた使い分けがポイントで、日中のフロア内移動が多い 施設で活躍しています。
●排泄支援ロボット(排泄予測/検知・排泄物処理・動作支援)
排泄支援ロボットは、「排泄予測・検知」「排泄物処理」「動作支援」の3つのタイプに分かれます。
排泄予測・検知タイプは、生体情報や環境の変化をもとに排尿・排便のタイミングを予測または検知し、適切なタイミングでトイレ誘導や介助を支援します🕒
排泄物処理タイプは、居室内で使用できる便器にロボット技術を組み合わせ、排泄物を密閉・隔離して臭気の拡散を防ぎ、設置位置の調整も可能です🚽
動作支援タイプは、トイレ内での下衣の着脱など一連の排泄動作を支援し、利用者が一人で、または最小限の介助で排泄できるように設計されています👖
夜間のトイレ介助の回数を減らすことができるため、スタッフの夜勤負担を軽減できるほか、利用者さんのプライバシーの尊重や快眠にもつながります🌙
●見守り・コミュニケーション支援ロボット(施設・在宅・コミュニケーション)
見守り・コミュニケーション支援ロボットは、高齢者の安全確保や日常生活の質の向上を支えるテクノロジーです🤖💡
使用される環境や目的に応じて、「見守り(施設)」「見守り(在宅)」「コミュニケーション」の3つのカテゴリに分類されており、それぞれが異なる役割と機能を担っています。
《見守り支援(施設)》
見守り(施設)向けロボットは、介護施設内で複数の入居者を同時に見守ることができるシステムです🏢
各種センサーや外部通信機能により、離床・転倒・体動などの状態変化を検知し、スタッフへリアルタイムで通知することが可能です。
また、介護記録システムやケアプラン作成支援ソフト、科学的介護情報システム(LIFE)との連携が想定されており、情報の蓄積や活用が可能なことが重視されています。
高齢者の自発的な行動(ボタンを押す、声を出す等)から得る情報に依存しないことや、昼夜を問わず使用できることも定義に含まれます📊
《見守り支援(在宅)》
在宅向けの見守りロボットは、在宅で暮らす高齢者の生活を支えるシステムです🏠
各種センサーや外部通信機能により、在宅において高齢者の体調や動きの変化を検知し、家族や介護従事者に通知したり、本人にもお知らせを届けたりする機能が求められます。
施設向けロボット同様に、高齢者の自発的な行動(ボタンを押す、声を出す等)から得る情報に依存しないことが定義に含まれます📊
《コミュニケーション支援》
コミュニケーション支援ロボットは、高齢者との会話や声かけを通じて、日常生活の活性化や社会参加を促す役割を持っています😊
双方向のやり取りを通じて、孤立感を和らげ、認知症予防や心のケアにもつながるとされており、自立支援や生活意欲の維持にも効果が期待されています。
高齢者の言語や顔、存在を認識して情報を得ることができ、その情報をもとにプライバシーに配慮した形で本人や家族・介護スタッフへ共有する機能があることが定義に含まれます🔔
このように、見守り・コミュニケーション支援ロボットは、安全・安心・情報活用・心の支援といった複数の面から、介護の質を高めるツールとして期待されています🌟🤝
現場の課題にあわせて、これらのロボットをどう選び、どう組み合わせて使うかが、導入の成功を左右するポイントになります。
●入浴支援ロボット
入浴の動作を支援するロボットで、浴槽の出入りや体位保持を安全にサポートしてくれます🛁
転倒リスクのある場面でのサポートとして注目されていて、職員2人介助が必要な場面でも、1人で対応できるケースが増えてきています。
●介護業務支援ロボット
介護業務に伴う情報を収集・蓄積し、その情報をもとに、高齢者などの必要な支援に活用することを可能とする機器・システムです📋
具体的には、リスク予測・検知、各種ケア計画作成、記録、職員の教育・研修、サービス提供への活用が定義されています。介護サービスの質の向上とともに、職員の負担軽減や、利用者の自立支援に役立つロボットを指します。
このように、それぞれのロボットには得意な役割と活躍のシーンがあります😊
大切なのは、「どのロボットも便利だから導入する」のではなく、自分たちの現場の課題にあったロボットを選ぶことです。
そして、うまく使えば人手不足や職員の定着、サービスの質の維持にもつながっていきます✨
もっとも有効な介護ロボットはどれなのか?
「たくさんある介護ロボットの中で、自分たちにとって“本当に役立つ”のはどれなのか?」
そんな問いに答えるためには、まず施設が抱えている課題を明確にすることが大切です💡

たとえば、夜間の見守り負担の軽減、転倒などの事故リスクの低減、人員不足下での安定したケア提供、ケアの質を保ちながら業務を効率化したい──
こうした課題は、多くの施設に共通して見られます。
これら複数の課題に対して横断的に効果を発揮しやすいのが、見守りロボットと介護業務支援ロボットです。
見守りロボットは、利用者の離床・転倒・体動などをセンサーやカメラで自動検知し、必要なときにスタッフへ通知します。
これにより巡回の回数を減らしながらも安全を保つことができ、職員の夜勤の負担軽減や事故予防に大きく貢献します👍
介護業務支援ロボットについても、記録業務の効率化だけでなく、見守り・移動支援・排泄支援データなどを利用者のケアに活用することができるため、スタッフの身体的・精神的な負担が軽減されると同時に、利用者の自立支援にもつながる点が大きなメリットです。
このように、安全管理と業務効率という両面から、施設運営の根本的な課題に対応できるロボットとして、見守りロボットと介護業務支援ロボットは非常に有効です。
「どのロボットが一番か」ではなく、自分たちの施設の課題に、もっとも効果を発揮するのはどれか──
そんな視点で選ぶことで、介護ロボットは経営にとっても、現場にとっても、強力なパートナーになってくれるはずです😊
導入するなら今!国の支援と先延ばしのリスク
「介護ロボットは魅力的だけど、導入のタイミングっていつがいいの?」
そんな迷いを感じている方も多いかもしれません。
結論からいうと、導入を検討するなら、今が適切なタイミングです。

その理由のひとつが、国や自治体による補助金制度の存在です。
条件を満たす施設であれば、導入費用の半額以上が補助されるケースもあり、初期費用のハードルを大きく下げられます🙆
ただし、補助制度は今後ずっと同じ内容で継続されるとは限りません。
国の財源が厳しくなる中で、補助金の予算規模は年々見直されており、補助額の縮小や採択率の低下が懸念されています。
また、介護ロボットへの注目度が高まり、申請する施設が増加傾向にあるため、申請する年度を後回しにすればするほど希望通りに採択されないリスクが高まると考えられます。
つまり、補助金が使える施設にとっては「今年がもっとも通りやすく、補助も手厚い」状況といえるのです。
一方で、補助金の対象外である場合でも、今このタイミングで導入を進める意味は十分にあります。
なぜなら、人材確保、職員の定着、安全体制の強化といったテーマは、待てば待つほど課題が深刻化し、後から手を打つほど負担が増す可能性が高いからです。
介護ロボットの導入は、単なる便利ツールの導入ではなく、これからの施設運営に必要な基盤整備です。
補助金の有無にかかわらず、今のうちに備えておくことが、将来の安心と差別化につながります😊
見守りシステムの詳細はここからチェック!
「実際の機器をもっと詳しく知りたい」「自分の施設に合うか不安…」という方は、下のリンクから見守りシステムに特化したコラム記事をご覧ください。
メリットや導入事例、選び方のポイントまで、わかりやすくご紹介しています✨
見守りシステムとは?
\介護現場で選ばれる理由と導入メリット/

ひとめくん
【ひとめくんプロフィール】
- HitomeQ ケアサポートのマスコットキャラクター
- 介護施設や高齢者住宅の見守りに従事して10年。施設長・管理職・介護職員の事情に誰よりも詳しい。
- 性別:ヒミツ
- 年齢:ヒミツ(年齢はないけど、気づいたらバージョンアップしているかも?)
- 読者の皆さんが「なるほど!」 「使える!」となる介護業界や業務改善の情報を共有するため、コラム記事に登場する。

監修:神内秀之介さん
- 介護経営コンサルタント
- ふくしのよろずや神内商店合同会社 代表
- 公益社団法人日本社会福祉士会 理事
公的機関、職能団体、企業からの依頼で年間100件以上のセミナー講師を務める一方、業界誌や専門メディアへのコラム寄稿も多数。介護分野における実践的な知見と経営視点を兼ね備えたアプローチで、多くの福祉施設の課題解決に寄与している。
https://jinnaisyouten.com/
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