IoTで介護現場が変わる!?
導入メリットとデメリットとは

IoTで介護現場が変わる!?導入メリットとデメリットとは

介護とIoTとは、一見無関係に思うかもしれません。しかし、介護現場にIoT技術を効果的に組み込めば、業務を効率化させられるだけでなく、質の高いケアを提供することも可能です。

本記事では、IoTを導入する上でのメリットやデメリット、具体的な活用方法について紹介していきます。

介護におけるIoTとは?

介護におけるIoTとは?

IoTは「Internet of Things」の頭文字をとって、略した言葉です。日本語では「モノのインターネット」と訳されますが、よく分からない方も多いのではないでしょうか。
テクノロジーが発達した現代において、身の回りのものが電子化されたり小型化されたりして、私たちの暮らしはどんどん便利になりました。
しかしながら、IoTと介護にはどのような関係性があるのでしょう。まずは、言葉の意味、介護業界でのIoTについて見てみましょう。

IT、ICT、IoTの違い

ITやICT、IoTという言葉の正式名称を整理してみましょう。インターネットが普及し高度な情報通信が当たり前になった現代において、私達の周りには様々な技術や通信機器が普及しています。それぞれ比較しやすいように表でまとめてみました。

名称 正式名称 意味
IT Information Technology
(インフォメーションテクノロジー)
情報技術のこと
ICT ICT Information and Communication Technology
(インフォメーション アンド コミュニケーション テクノロジー)
情報通信技術を活用すること
IoT IoT Internet of Things
(インターネット オブシングス)
インターネットにさまざまなものを接続すること

介護業界で活用されるIoTとは

介護業界において、今後増加が見込まれる要介護高齢者を支援する介護人材の不足は深刻な課題です。国は2025年度末までに介護人材は約243万人、1年あたり5万5千人の介護人材を確保する必要があると推計しています。
そこで、政府が打ち出したのが「参入促進」「資質の向上」「労働環境・処遇改善」といった、人材と介護の質を同時に確保するための施策です。ICT活用やIoTの促進は、介護職の処遇や雇用環境の改善のため、国をあげた大きな戦略の一つといっても過言ではありません。
参考:厚生労働省(第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数)

IoTを導入して得られる5つのメリット

IoTを導入して得られる5つのメリット

IoTを導入することで、利用者様だけでなく、事業所にとっても大きなメリットが得られます。しかしながら、モノをインターネットにつなぐことが、なぜ介護人材の不足や雇用環境といった課題に対して有効といえるのでしょうか。

本章では介護現場にIoTを導入することで業務が具体的にどう変わるのか、利用者様へのケアにどのような効果があるのか紹介します。

1.業務負担の軽減につながる

介護スタッフにとって、利用者様の直接介護以外で時間を割かれているのは記録業務です。
ほとんどの事業所でパソコンによる記録入力や管理が一般的ですが、最新のモバイル機器を活用すれば、持ち運びができるだけでなく、その場で入力できるので、記録のためにスタッフルームにもどる必要がなくなり、時間の削減が可能となります。

2.ケアサービスの質が向上する

業務負担が減ることで介護スタッフの心身的な負担が軽減され、時間に追われることなく利用者様と関わる時間が増えます。
IoT技術を導入することによって、人でなければできないこと、ICT機器を活用してできることなど、業務を一旦整理することも有効です。その結果、利用者様と関わる時間が増えることで、介護サービスの質が向上します。

3.すばやい緊急時対応ができる

介護スタッフは変則勤務で24時間介護にあたるため、時間帯によっては少ないスタッフ数で利用者様の対応をせざるを得ません。
介護スタッフが少ない時間帯に利用者様が体調不良を起こした際、スタッフ間で連絡が素早くとれるインカム無線といったICT機器があれば、その場で他のスタッフへ応援依頼ができ、緊急対応ができます。

4.人為的事故防止につながる

介護現場で起こる事故の中には、介護スタッフの不注意が原因で起こる事故があります。例えば、認知症の利用者様に食後の服薬を行う際、別々のスタッフが同じ利用者様に薬を配ってしまうという事故は、まさにスタッフの不注意によるものです。
実際の介護現場ではそういった場合、再発防止策として複数のスタッフによるダブルチェックを取り入れ確認を行っている事業所もあります。
しかしIoTを活用すれば、そのような人的リソースを割かなくても、配薬した介護スタッフがすぐに電子機器で入力し、他のスタッフが配薬済みであることを配る前に確認できれば、未然に事故を予防できるでしょう。

5.自立支援をサポートできる

IoTを活用すれば、利用者様の身体データから身体機能や生活動作にあったリハビリメニューを作成することが可能です。
すべての利用者様に対して同じ運動やレクリエーションを行うのではなく、利用者様一人ひとりにあったメニューを組み立て、その効果を検証することが自立支援をサポートする上で必要不可欠となります。
介護スタッフは利用者様それぞれにあった個別介護計画に基づき、最適なケアを実施することで生活の質を高めるケアが可能になるでしょう。

IoTを導入する上での3つのデメリット

IoTを導入する上での3つのデメリット

IoT技術の導入は、介護現場にたくさんのメリットをもたらす一方、デメリットがあることも注意しておかなければなりません。
あまり調べずに導入したことで「期待していた活用ができなかった」「事業所の環境が合わなかった」など、後悔しないことが大切です。メリットだけではなくデメリットへの対策が必要であることも慎重に検討しましょう。

1.購入費用や維持管理費が発生

ICT機器の購入やIoT環境を整えるためには少なからず費用が発生します。また、機器の種類によっては定期的にメンテナンスが必要なものがあり、ランニングコストもあらかじめ確認した上で導入することが重要です。
事業所の規模が大きかったり複数の事業所を運営していたりする施設であれば、導入時期を一緒にするのか、段階的にするのか、あるいは機器の保証期間はどのくらいあるのかなども考えながら整備しましょう。

2.導入意識の共有が不可欠

IoTを導入する際には、その目的や活用方法を介護スタッフ自身が理解しておくことが重要です。
せっかく費用をかけて導入しても、蓄積したデータを効果的に活用していなかったり、機器の操作方法を知らなかったりしていたのでは、IoT導入がすべて無駄になってしまう可能性があるからです。
IoTを最大限に活用することで、介護スタッフの日常業務の負担軽減が図られ、利用者様へのサービス量や質がどのように変わるのか、スタッフ間で具体的に共有しておくことが、導入後の活用にとって重要となります。

3.個人情報の漏洩には要注意

ICT機器によっては、個人情報を取り扱ったりインターネット回線を利用し外部から操作したりすることがあります。事業所として従来の個人情報に対するセキュリティ対策だけではなく、ITや通信環境での個人情報漏洩リスクを見据えた対策が重要です。
また、IoTの整備にあたっては、利用者様だけでなくご家族にも理解や同意を得ながら環境整備を行うことをおすすめします。

具体的な活用事例を紹介

具体的な活用事例を紹介

本章では、介護現場における具体的なIoTの活用事例を紹介します。日常業務におけるどのような課題がIoT環境によってどう変化するのか、ご自身の事業所にも当てはめながら参考にしてみてはいかがでしょうか。

IoT活用による介護見守り

見守りや安否確認という業務は、介護スタッフの手間をとる一方、目を離した途端に転倒事故につながることもあるため、疎かにはできません。IoTによるセンサーシステムを活用することにより、離れたところからでも頻繁に利用者様の様子がうかがえるようになります。
見守りセンサーという機器は、利用者様が寝ているマットレスの下に設置し、就寝時の心拍数や体圧、呼吸状態をデータで管理してくれるシステムです。
利用者様が夜間就寝せずに自室で起きていたり、転倒リスクのある利用者様が離床したしたりする場合、手元のスマートフォンに通知を送れます。それにより、夜勤スタッフがすぐに居室に駆けつけ、転倒事故を防ぐことが可能になるでしょう。

記録作成にスマートフォンを活用

携帯ICT機器として、記録作成できるスマートフォンがあります。介護スタッフが対応したその場でケア記録や連絡事項を入力すると、他のスタッフへリアルタイムに情報共有できるシステムが特徴です。
この機器を活用すれば、介護スタッフが情報伝達のために他のスタッフを探し回る時間や連絡の遅れによる重複対応を削減することが可能になります。
また、介護する前に過去の記録や対処内容を呼び出し確認することで、利用者様一人ひとりにあった介護方法を、どのスタッフでも行えるようになるでしょう。

センサーを活用した行動分析

利用者様の居室に行動分析センサーを設置し、転倒や転落が発生した場面と前後1分間を自動で録画してくれるシステムがあります。動画により事故の発生状況が正確に把握できれば、医師への説明やご家族への連絡に活用することが可能です。
また、事故動画から原因を分析することで、再発防止策や介護スタッフへの研修に役立てられ、サービスの質を向上させることに役立つでしょう。
HitomeQ ケアサポート」を導入すれば、居室の天井に取り付けた行動分析センサーが利用者様の動きを分析し、注意行動を認識した際にはスマートフォンに映像で通知してくれます。

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IoT導入するなら補助制度を活用しよう

IoT導入するなら補助制度を活用しよう

介護現場にIoTを導入する際、発生する費用を抑えてくれる手段の一つが補助金制度です。補助金制度は実施主体によって、名称、実施期間、内容が異なります。
また、単年度ごとに実施されるものも多いので、去年あったからといって今年もあるとは限りません。事業所のある自治体に確認をして制度の内容、補助率、条件などを慎重に検討し、活用できる補助金制度があれば積極的に申請しましょう。

ICT導入支援事業

記録業務や情報共有業務、請求業務を効率よく行えるように介護ソフトやタブレット端末の導入を行う事業者に対して、金銭面の一部を補助するICT導入支援事業というものがあります。
これは「地域医療介護総合確保基金」を財源に都道府県単位で計画、実施される支援事業です。ICTを活用した介護サービス事業所の業務効率化を通じて、介護スタッフの負担軽減を図ることを目的に実施されているため、実施要項や条件、申込方法などは各都道府県によって異なっています。

詳細は都道府県のホームページなどで確認しましょう。ICT導入支援事業の概要は以下の表のとおりです。

補助対象 ・介護ソフト、スマートフォン、タブレット等
・Wi-Fi機器購入・設置費(通信費は含まない)
・業務効率化に資する勤怠管理、シフト表作成等の介護ソフト
補助率 都道府県の裁量により設定(事業者負担あり)
補助額 事業所規模に応じて補助上限額を設定
職員 1人~10人 100万円
職員11人~20人 160万円
職員21人~30人 200万円
職員31人~ 260万円

参考:厚生労働省「地域医療介護総合確保基金を活用したICTの導入支援」

介護ロボット導入支援事業

介護ロボット導入支援事業は、ICT導入支援事業所と同じく「地域医療介護総合確保基金」を財源に都道府県単位で計画、実施される支援事業です。
介護ロボット導入支援事業は基本的に、介護施設などに対する介護ロボットの導入支援を目的に実施されています。しかし、新型コロナウイルス感染症の発生による介護現場へのスタッフの負担軽減や、業務効率化を図る必要があるため、補助額の引き上げや補助台数制限の撤廃など年度ごとに拡充されています。

介護ロボット導入支援事業の補助概要は以下の表のとおりです。

ロボットの定義 ・情報を感知(センサー系)
・判断(知能・制御系)
・動作する(駆動系)
上記3つの要素を応用して利用者様の自立支援や介護スタッフの負担軽減に役立つもの
補助対象 移乗支援、移動支援、排泄支援、見守り、入浴支援などで利用する介護ロボット
(装着パワーアシスト、入浴アシストキャリー、見守りセンサーなど)
補助率 一定の要件を満たす事業所は、3/4を下限に都道府県の裁量により設定。それ以外の事業所は1/2を下限に都道府県の裁量により設定。
補助額 ・移乗支援(装着型・非装着型)、入浴支援は上限100万円。それ以外の介護ロボットは上限30万円。
・見守りセンサーの導入に伴う通信環境整備、見守りセンサー等の情報を介護記録にシステム連動させる情報連携のネットワーク構築経費は上限750万円。
補助上限台数 必要台数(制限なし)

参考:厚生労働省「地域医療介護総合確保基金を活用した介護ロボットの導入支援」

IoTを介護現場に導入するのは今がチャンス!

IoTを介護現場に導入するのは今がチャンス!

現在、介護現場は介護人材の不足や雇用環境の改善という深刻な課題に直面しています。解決のためにマンパワーだけではなくIoT技術など様々な手法の導入がはじまった介護現場は、今まさに新しい時代が来たともいえるでしょう。

介護事業所としてIoT環境を整えることは、けっして誰かが楽になることではありませんし、機械に介護を任せることでもありません。

「人でなければできないこと」を見直しつつ、IoTを活用した介護業務を再構築するのは、まさに今です。

HitomeQ ケアサポート」では、スマートフォンを活用したリアルタイムな連絡や情報共有が可能です。記録作業のためにわざわざ時間を費やすよりも、介助業務にHitomeQケアサポートの記録システムを組み入れることで、業務の効率化を図りましょう。

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