介護現場での業務プロセスの改善により
生産性と離職率も改善

介護現場での業務プロセスの改善により生産性と離職率も改善

介護従事者は、人々の生活を支えるエッセンシャルワーカーであるものの、離職率が比較的高く、現場の負荷に多くの介護事業者が頭を悩ませていることでしょう。現場の負荷が増えればさらなる離職率の向上も招きかねません。 いかに属人的な業務を標準化し、誰でも同じサービス品質を維持できるよう業務改善を図れるかは、介護施設運営の試金石とも言えます。業務改善に成功すれば、生産性が向上するだけでなく、採用・育成の面でも大きなメリットを生み出します。

そこで本記事では、介護業界の業務改善について、取り組み例などを示しながら解説します。
ぜひ参考にしてください。

増える介護需要と採用難

まずは、介護業界が抱える課題と業務改善の必要性について整理をしましょう。

2025年問題もあり即戦力人材の確保は年々難化

少子高齢化が進み、労働力人口の減少によってどの業界でも人材不足に悩まされている中、いわゆる「団塊の世代」が後期高齢者となる2025年問題を目前に控えて、介護の需要は増す一方。

即戦力の確保は年々難易度を増しているため、スタッフの経験に頼らず誰でも活躍できる環境を整えることが望まれます。

介護はマインドとスキルの両面が必要な業務

介護は利用者に寄り添いサポートするという業務の特性上、他の業種以上にスキルとマインドの両立が必要になります。そのため、標準化がしにくく属人化しやすいという課題を抱え続けてきました。

しかし、上述の通り介護需要が増す中でサービス品質の維持・向上を図るには、業務の無理・無駄・ムラを省き標準化をすることが必要不可欠となっています。

業務プロセスの改善により自施設の努力次第で課題は軽くなる

介護現場での業務改善では介護ロボットやIT導入などが注目されがちですが、最も重要なのは業務プロセス自体の見直し・改善を行うことです。

コストをかけて新しいものを導入したり、置き換えたりする前に、まずは現状の課題を洗い出し、どうすれば一人ひとりの負荷が減るのか、パフォーマンスが向上するかを検討してみましょう。

介護現場の業務改善の目的・目標

業務改善の第一歩は、その目的・目標を明確にすることです。 ここでは介護現場で業務改善をするにあたってぜひ取り組みたい目的・目標を3つご紹介します。

人材育成の仕組み化

1つ目は人材育成の仕組み化です。臨機応変さが求められる現場であるがゆえに、手順やマニュアルが整備されていない事業所も多いのではないでしょうか。役割や手順を明確に定めることは、業務に潜む無理・無駄・ムラを省けるというだけでなく、育成にかかるコストを抑え誰でも活躍しやすい環境を整えることにもつながります。

チームケアの質の向上

業務改善を行う際には、スタッフの負荷軽減や業務効率化だけを考えるのではなく、サービス品質の向上の視点も忘れてはいけません。チームケアの質的向上のために何に注力をすべきかを見極めた上で、無駄を見直すことが肝要です。

情報・ナレッジ共有の効率化

標準化を進めるためには情報・ナレッジの共有が重要となる一方で、介護の現場では申し送りのための記録などの事務作業がスタッフの負荷となっているケースも少なくありません。負担なく簡単に共有できる仕組みができれば、共有自体も活性化し、ケアの質の向上にもつながるでしょう。

業務負担の軽減・介護の質を良くすることは 一朝一夕ではない

ここまで業務改善の必要性や目的・目標をお伝えしてきましたが、介護現場の業務負担を軽減し、ケア品質を向上させることは一朝一夕でできることではありません。時間と手間がかかるものであると認識をした上で、抜本的に取り組まなければ本来の目的を達成できないでしょう。

さらに介護は人対人のサービスであり、真心が大切なものです。だからこそ、注力すべき業務に集中できるように客観的に現状を把握した上で業務プロセスを見直す必要があります。

弊社では、介護現場に精通したスタッフが定性・定量のデータ分析に基づいて改善ポイントをご提案するサービスを行っております。自社だけでは難しい業務の可視化や生産性の評価ができる点もポイントです。 ぜひご検討ください。

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一般的な業務改善の取り組み例と課題

続いては、一般的な業務改善の取り組み例と、実際に介護現場で取り組む際の課題について紹介します。

職場環境の整備と利益構造

人材を確保し長く活躍してもらえる環境を整えるために、賃上げをするというのは手っ取り早い方法ではあります。しかし介護現場に当てはめてみると、ビジネスの構造上難しいというのが実際のところでしょう。

業務改善によって標準化を進めるとともに、評価の仕組みを整備してステップアップを目指しやすくするなど工夫が必要です。

業務の明確化・役割分担と軋轢

介護の現場での業務改善においても、業務の明確化と役割分担は重要なポイントです。しかしながら、介護現場には看護士、介護福祉士などの介護の有資格者、その他のスタッフと、スキルの異なる人たちが働いていることでパワーバランスや軋轢が生まれやすい環境とも言えます。

分けることを目的とするのではなく、分担・連携することでいかにチームでより良いパフォーマンスを発揮できるかに主眼を置いて進めることが重要です。

マニュアルの作成とケースバイケースの介護業務

生産性の向上や標準化を図る上で大切なのがマニュアルの作成です。臨機応変さが求められる介護職でも例外ではありません。

例えば、申し送り事項を明確にすれば双方の時間短縮にもつながるでしょう。

行政提出の記録・報告様式の工夫と制作難易度

介護の現場では、記録・報告の入力や転記などがスタッフの業務負担を上げているケースが多く見られます。こうしたケアに直結しない間接業務は積極的に効率化を図りたいポイントです。

電子化による一元管理など、ICTの活用も視野に入れながら、誰でも手間なく入力できる環境を整えましょう。

情報・ナレッジ共有の工夫と制作・管理工数

タイムリーな情報共有ができていないことによる業務の無駄を省くだけでなく、標準化のためのナレッジ共有にも積極的に取り組みたいところ。

人によって判断が異なるとサービスの品質に影響するだけでなく、指示を受けるスタッフの心理的な負担にもなりますので、共通した判断基準をいかに構築していけるかがポイントとなるでしょう。

OJTの仕組みづくりと時間的制約

OJTは実践的な知識や技術が身につくことがメリットとなる一方で、教える側の負担や教える人による指導内容・指導品質のブレが課題となります。

指導する側のマニュアルや指導要綱を整備できれば、教える側の負担を軽減してブレのない教育が行えるのと同時に、リーダー育成にもつながります。

エビデンスベースだからこそ業務と業務フローが実地に基づく

ここまで説明した通り、介護現場における業務改善は現場に即した対応が成功のポイントとも言えます。

弊社が提供している「業務診断サービス」は、介護施設の業務改善に特化したサービスで、施設内に設置した測定機器から定量データを分析して業務改善につなげることが可能です。 スタッフの業務可視化レポートや生産性評価レポートなどによって、対策すべき改善ポイントが明確化。「現場が上手く回っていないの認識しているが、明確な理由がわからない」といった方におすすめです。

また、コニカミノルタのカメラ・センサー技術を活かした見守りシステムや、オペレーション業務の改善を図るペーパーレス化サービスなどもご用意。 業務単体での効率化ではなく、業務プロセス全体を見直すことで効果を最大化します。

介護業界の業務フローをオペレーティブに整えて入居者様との本来の時間を増やす

人対人のサービスが求められる介護業界にこそ、本来注力すべき業務を見極めて効率化を図ることが重要です。いかに利用者様と向き合う時間を増やし、働く人にとっても活躍しやすくやりがいのある職場にできるかが、業務改善の根幹ではないでしょうか。

介護事業者様に寄り添った弊社のサービスが、より良い職場づくりの一助となれば幸いです。

「どこから手をつけたらいいのか…」とお悩みの方も、ぜひ一度、無料相談をご活用ください。

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