医療法人福寿会 西原敬愛園様
“見えるナースコール”で負担を減らした現場の挑戦

沖縄県西原町にある、 1995年3月に開設された介護老人保健施設。
福寿会では、老健・グループホーム・ショートステイなどを運営されています。
沖縄県でのHitomeQ ケアサポート導入“第1号”となる施設です。

2025年4月、慢性的な人員不足により現場が疲弊していること、スタッフの業務負担の増加、無駄な訪室への対応等の課題解決策として、HitomeQ ケアサポートを導入いただきました。全103床でご利用いただいております。

医療法人福寿会 西原敬愛園様
※2025年9月時点の情報です。

決め手は、映像で判断できること!

―― なぜ見守りシステムが必要だったのでしょうか?導入の決め手は?

比嘉さま 当施設の下記課題を、ICTを活用して解決できないかというのが始まりでした。

✅ 人員不足で現場が疲弊
✅ 業務負担の軽減
✅ 無駄な訪室を減らしたい

なかなか人員不足が解消されず業務量が多い中、スタッフはコールが鳴るとステーションから一番奥の居室まで30m以上一生懸命走って対応していました。いざ訪室すると、利用者様がただボタンを押してしまっただけということもあり、無駄に終わってしまう訪室に疲弊していました。

そこで、ICTを活用して介護業務の負担軽減ができないか?というのがことの発端でした。
ICTを活用して負担軽減を実現したいということは根本にあり、眠りスキャン、aamsも検討しましたが、いまいちピンときませんでした。

そんな時に目に飛び込んできたのが、コニカミノルタのHitomeQ ケアサポート。コニカミノルタというブランド力にピンときました。そして一番の決め手になったのは、訪室前にスマホで映像が確認でき、訪室する必要の有無が判断できる点でした。

事務長 比嘉 寿さま

利用者様とスタッフの楽しそうな声が響くように

―― 導入後、現場にどのような変化が起きましたか?

内間さま 率直に変わったと思うのは以下の点です。

フロア全体が静かに
以前はナースコールが鳴り響き、スタッフが走り回っているのが日常の風景でした。
導入後は、コール音が減ったことで静かになり、利用者様の声もよく聞こえ、利用者様とスタッフが楽しく会話する声が聞こえるようになりました。

介護課長 内間 学さま

夜間の睡眠をコールで妨げない
コール音で眠れない➡覚醒してさらにコールを押してしまう、という悪循環があったが、コールが減り、利用者様の安眠につながっています。

行動分析をし環境を整える⇒スタッフの安心感につながった
利用者様の、ベッドから起床して歩き出すまでの行動を、自動で残されている履歴録画から分析。動線を確かめ、必要に応じて手すりを設置し、転倒を防ぐ環境を整えました。

ムダな訪室が減った!

―― ナースコールへの対応はどのように変化しましたか?

内間さま 夜間帯は、利用者様50名に対して介護スタッフ2名で対応していますが、多床室でも誰からのコールかが確実にわかるので、
ピンポイントで訪室できるようになりました。ナースコール対応の負担が減り、利用者様の安眠を妨げることもなくなりました。
また、 HitomeQ ケアサポートは通知が来て映像で行動を観察できるので、お部屋に行かずに済むことが増え、職員の負担軽減につながっています。また、利用者様のお名前横に、危険度レベルを3段階に分類した印を設定することで、入職まもないスタッフでも対応の優先順位が判断できるようになりました。危険度レベルは、転倒歴・認知症の程度・ADL状態をアセスメントし3段階に分類したものです。

映像を分析することで転倒対策が可能に!

―― 転倒発生時の対応の負担はどう変わりましたか?

内間さま 事故があった際に、録画(エビデンス動画)を分析することで、転倒の様子を多職種間(ケアマネ・介護・看護・リハビリ)で共有し意見を出し合いながら、以前よりも細かく、明確な対策を立てられるようになったと実感しています。

移動歩数が31%減!精神的にもラクに

―― 夜勤の負担は、どう変わりましたか?

【Before】

  • 転倒を恐れ、コール対応に走り回っていた
  • おむつ交換中に他のコールが鳴ったときの精神的な不安
  • 多床室からのコールを、誰か確認しに行かなければいけない負担

【After】

  • LIVE映像で行動が観察できるので、ムダな訪室が減った
  • コールに優先順位をつけて対応できるので、安心感がうまれた
  • 誰からのコールか分かるので、ピンポイントの訪室で負担が軽減

内間さま 例えば、おむつ交換中でも、だれからコールがきたかわかりますし、映像で見守りもでき、安心できました。結果的に、夜勤に入る精神的な負担も軽減しています。

また、導入前後で歩数の比較をしたところ、特に夜間においては、身体的な負担を大きく軽減できていることが分かりました。

導入後の歩数変化 ※2025年8月に職員30名に対して計測したもの
勤務帯 Before After 結果
日勤 平均 14,615歩 平均 12,975歩 11%減少
(約1.3kmの移動が減少)
夜勤 平均 21,453歩 平均 14,877歩 31%減少
(約4.6kmの移動が減少)

確実に情報が届き、職員間のやり取りがスムーズに!

―― スタッフ同士の申し送りや、呼び出しについてどのような変化がありましたか?

内間さま 職員間のやり取りにチャット機能(スタッフ伝言板)を使っています。文字にすることで正確に情報が伝わり、職員全員に確実に情報を届けられるという点にメリットを感じています。
また、2階と3階という異なるフロア間でのやり取りの際に、職員を探す手間がなくなりました。職員が勤務中であればスマホにログインしているので、職員間のやり取りがすごく早くなりました。

映像をもとにした説明で、ご家族も納得

―― ご家族からの反応はいかがですか?

内間さま クレーム対応や転倒事故の際、ご家族に映像を見ていただくことで納得されたケースがあります。

【実際あった事例】
利用者様(しっかりされているが、思い込みが強い方)がご家族へ、「職員から虐待されている」というような話がをされたようで、ご家族から事実説明を求める問い合わせがありました。その際に、HitomeQ ケアサポートに残っている実際の映像を見ていただき、そのような行為がなかったことを確認していただきました。
また、ケアルーペを使いコールの押下数をお示しするなど、現場の状況を説明することで、ご家族に納得していただくことができました。

HitomeQ ケアサポート導入後、退職者なし!

―― スタッフの定着率・採用面での変化はありましたか?

内間さま 4月の導入後から、退職者はいません。
面接の際に HitomeQ ケアサポートの説明をすると、ほとんどの方が興味を持ってくださり、好評を得ていると感じています。

質の向上やICT導入が求められる今こそ取り入れるべき

―― 経営面のメリットはどのようなものがありますか?

比嘉さま 導入後間もないので、費用対効果はまだ実感できていません。しかし、 介護老人保健施設の評価基準が変化し、質が求められるようになってきています。また、ICT導入に対する補助金も増えており、今後は質とICT導入が評価される方向に進むと予測されます。将来的に加算が得られることを期待しています。

安心して使える!この投資は「施設の強み」に変わった

内間さま 導入前は、「負担は軽減するのか?」「余計に忙しくなるのでは?」等の不安がありましたが、使っていくうちに慣れ、導入前と比べスタッフ全体に安心感・気持ちの余裕がでてきていると感じます。

HitomeQ ケアサポートは大きな投資ですが、決して後悔することはないと思います。導入後もコニカミノルタの方がしっかりサポートしてくれますので、とても安心して使っていくことができます。
今後、多職種と連携をとりながら、利用者様の安全な環境をつくる、自立支援を充実させる、結果的に在宅復帰率を上げるというところまで活用を進めていきたいと考えています。

比嘉さま 沖縄初の導入施設ということで、他施設との差別化ができました。施設の強みとして採用にもつながり、離職者も減り、本当に心から喜んでいます。
現在、沖縄でも複数の施設がHitomeQ ケアサポートの導入を検討されております。実際に導入されれば、施設間での交流が生まれるのではと考えています。
今後、地域全体でのサービス向上やスタッフのスキルアップ、介護のイメージアップが期待でき、ワクワクしています!

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